映画「オリバー・ツイスト」突然友人に誘われて、夕方から「オリバー・ツイスト」を観てきた。ディケンズの「オリバー・ツイスト」は、 はるかはるか昔に読んだ記憶はある。 それは私がまだ少女だった頃だろう、 多分「小公子」「赤毛のアン」なんてものを読んでいた頃。 ハッキリ言って、内容はまったく覚えていない。 さて、映画の感想。 どうも私は、物語に没入して楽しむことができないおばさんになってしまったようだ。 19世紀のイギリス・ロンドンはこんな様子だったのか・・とか、 「ゆりかごから墓場まで」といわれて 日本の福祉政策のお手本のように言われたイギリスも、 その一世紀前はこんな状態だったのか・・とか。 そして、少なくても子どもを取り巻く環境は オリバーの時代よりは格段に良くはなっているだろうが、 子どもが大人の従属物というか、 都合よいように利用される存在であることには あまり変わりがないのではないか・・とか。 子どもにとって一番大切なのは、自分に優しくしてくれる人、 可愛いと抱きしめてくれる人なのだろう。 悲惨な状況の中で自分を助けてくれた人に対しては、 絶対に裏切れないと思う子どものいじらしさ。 それは、オリバーが特別に純で無垢だったわけではなく、 子どもは本来そういうものなのではないかと思ったり・・。 社会システムの中では、何時の時代も弱いものにしわ寄せがいくのだ。 それを乗り越える術を、 まだ人間はさまよいながら模索しているということだろう。 だから現代にだって、世界中に何万人ものオリバーがいるのだろうと思ったり…。 色々なことを考えさせられる映画ではあった。 原作をちゃんと読んでみたいと思う。 (2006年02月26日) |